[ある家族からのおたより] 卒園と入学

(岩手県 メリナ)

 はじめてメッセージを送ります。

 わたしの息子は軽度の発達障がいを持っています。いわゆるチック症で我慢していても急に大きな声を出したり、身体が動いてしまったりします。夫も私も初めは気づかなかったのですが、保育園に入り、集団行動をするようになってから、それが顕著に現れるようになってきました。

 とても感謝しているのは、そのような症状があらわれた息子を保育園がしっかりサポートしてくれたことです。症状がかなり明確に出た当初は、わたしたちも混乱して退園させた方が良いのでは、と保育園に相談しにいきましたが、園長先生がとても素晴らしい方で、ぜひ私たちのところで預かりたい、そもそも障がいをもつ子ども (個性の一つとして認識しているとおっしゃっていました) とそうでない子どもが小さな頃から触れ合える機会があることは良いことだ、と説得してくれました。

 結局、退園させることなく、そのまま通わせることを決断。先日の卒園までの3年間、本当に息子の成長を見守っていただきました。園長先生の強く明確な言葉がなければ、わたしたち親は途方にくれていたと思います。

 小学校への入学も、支援学校か一般的な小学校かで迷いましたが、園長先生の言葉がわたしたちを後押ししてくれました。障がいをもっている子が当たり前に日常にいること、それが普通になることを目指して、一般的な学校への進学を決めました。もちろん、多くの不安もあります。保育園とは異なり、先生の目が行き届かないところで苛めに遭う可能性もあります。それでも保育園で得た多くの喜びを期待して、わたしたち親子は進んでいきたい。

 わたしの学生生活を振り返ると、良い先生に出会って、自分の生き方が変わったという経験が何度かあります。我が子にも同じように素敵な先生に出会い、人生を切り開いていって欲しいと願っています。

 

 

本記事は読者さんからお便りを元に、許可をいただいた上で誤字の訂正や読みやすさを考慮して改行などを加えています。また、写真は編集部で選んだイメージとなります。

[お知らせ]
みなさまから、子育ての楽しみや悩み、家族の中で起こった不思議なエピソード、幼少の頃の話など、家族にまつわるお便りを募集しています。お名前は匿名でも構いません。尚、送っていただいたお便りを採用させていただいた場合、2000円分の図書カードをお贈りいたします。

Leave a Comment