[ある家族からのおたより] 戦争という悲惨な出来事を二度と起こさないように

(東京都 ガーネット)
 こんにちは。東京都内で、二人の娘を育てているものです。ロシアのウクライナの侵攻をニュースでみて、一人の人間として、子どもを持つ母親として心を痛めています。
 私の祖父は広島県出身で被曝をして、後遺症から白血病と診断されて亡くなりました。祖父の死は私が生まれる前のことですが、祖母や私の母から、そして親戚など実際戦争を体験した人たちから耳が痛くなるほど聞かされて育ってきました。とても記憶に残っていることとして、私がまだ幼稚園児だった頃、祖母に『ひろしまのピカ』という絵本を読み聞かせてもらったことがあります。鮮烈な光と燃え盛る炎、当時の私には衝撃的で、夢でうなされたことが何度もありました。
 どうしてこんな怖い絵本を読み聞かせるのだろう、とその時は祖母を恨んだものです。しかし、今思い返してみると、戦争で夫や家族を亡くした祖母にとっては、どうしても自分たちが体験したことを、私たちの孫世代に伝えておきたかったのだろうなと思います。戦争という悲惨な出来事を二度と起こさないようにという気持ちを込めて。
 そんなふうに育てられ、そして、子どもたちにも戦争の恐ろしさ(実際、『ひろしまのピカ』を読みかせたりしました)を伝えている私にとって、今回のロシアによるウクライナの侵攻は非常に衝撃的であり、悲しいものでした。ニュースでは、ウクライナの小さな子どもたちが不安そうな顔で夜を過ごしているのを見て、涙を流しました。核を背景に人を苦しめるということが絶対あってはなりませんし、ましてや何の罪もない、子どもたちに恐怖を与えることは許せません。
 怒りと悲しみが込み上げてきて、いてもたってもいられない毎日なのですが、自分ひとりでは何もできないことことに心を痛め、無力感に苛まれてしまいます。しかし、小さくてもやれることをやったらいい、と夫に促されて、戦争に反対である、という自分の意思を伝えること、そして少額ですが募金をすることを少しずつ行っています。
 『ひろしまのピカ』のような戦争を二度と世界で起こさないように、私たち大人たちがしっかり伝えていかなければいけないと強く思います。早く平和な日常がウクライナに戻りますように。

 

 

本記事は読者さんからお便りを元に、許可をいただいた上で誤字の訂正や読みやすさを考慮して改行などを加えています。また、写真は編集部で選んだイメージとなります。
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