ある家族からのおたより – 子どもの嘘

(東京 ムーミン)
 こんにちは。数ヶ月前、子どもの料理人というお話を取り上げていただいたムーミンです。私たち夫婦と保育園の年長組である娘、義母の4人で暮らしています。
 今回は娘とその友人との出来事を投稿したいと思いご連絡しました。娘には同じ保育園に通っている、仲のよい友人Nちゃんという子がいます。Nちゃんの家は母子家庭で忙しく、保育園がお休みの日はたまに我が家で面倒をみることもあります。
 娘とNちゃんはいつも楽しそうに遊んでいるのですが、最近喧嘩をするようになって、「もう遊ばない」と娘が言うようになりました。結局、私が間に入ってその場で解決するか、翌日になって保育園で仲直りをするのですが、二人を観察すると、どうやらNちゃんが嘘をついてしまうことが発端で喧嘩になるようです。
 たとえば、遊びに行ったテーマパークのお土産をあげる、と言ったことを実行しないなど、大人からしたら些細なことですが、娘にとっては約束を破ったと捉えて喧嘩になってしまいます。どうしてそのような嘘をつくのかなと二人の会話を聞いていると、ある法則があることがわかりました。
 「◯◯動物園に行ってキリン見てきたよ。双子で仲良かったよ」と娘が言ったとします。それに対して、Nちゃんは、「わたし、◯◯動物園のライオン見てきた。その動物園で大きなライオンさんのぬいぐるみを買ってもらったんだ」と答えます。娘が興味を抱いて「見せて」と言うと、「今度見せるね」とNちゃんが答える。そして、結局、約束は果たされない。
 その動物園は都内にはなく、どう考えてもNちゃんの家ではそのような時間はとれないはずと思って、Nちゃんのお母さんに尋ねてみると、その動物園に行っていないことがわかりました。この事実を知り、私は自分の幼少期、両親が忙しくて、あまりどこかに連れて行ってもらわなかった記憶を思い出しました。休日明けに学校で、どこどこに行ってきた、という友人の話を聞くのが辛くて、嘘をついたこともありました。私の家はお金も、時間、余裕もない、という劣等感を感じていたから嘘をついたのだと思います。そのことを思い出したこともあって、Nちゃんがとても不憫に感じられました。
 それから、私たち夫婦が考えたことは、少しお節介かもしれませんが、Nちゃんのお母さんに承諾を取って、休日の半日でも私たち家族と一緒にNちゃんを外に連れていくというアイデアでした (最近は都合がつけばNちゃんのお母さんも一緒に参加するようになりました)。このアイデアをやり始めてまだ数ヶ月ですが、子どもたちも違いではなく、共通の体験を話すようになり、Nちゃんもあまり嘘をつかなくなってきたように思います。

 

 

本記事は読者さんからお便りを元に、許可をいただいた上で誤字の訂正や読みやすさを考慮して改行などを加えています。また、写真は編集部で選んだイメージとなります。
[お知らせ]
みなさまから、子育ての楽しみや悩み、家族の中で起こった不思議なエピソード、幼少の頃の話など、家族にまつわるお便りを募集しています。お名前は匿名でも構いません。尚、送っていただいたお便りを採用させていただいた場合、2000円分の図書カードをお贈りいたします。

Leave a Comment