ある家族からのおたより – 我が家の料理人たち

 私たち mewl マガジンにお便りが届きました。ご本人に許可をもらい記事としてご紹介します。また、みなさまから、子育ての楽しみや悩み、家族の中で起こった不思議なエピソード、幼少の頃の話など、家族にまつわるお便りを募集しています。お名前は匿名でも構いません。尚、送っていただいたお便りを採用させていただいた(記事として掲載させていただいた)場合、2000円分の図書カードをお贈りいたします。

(東京 ムーミン)
 こんにちは。お便りのコーナーに初めてお送りします。我が家の恒例行事についてです。
 我が家は、私と旦那さん、保育園の年長になったばかりの娘、旦那さんの母の4人で暮らしています。私たちの暮らしの中で特に大事にしていることは「食」です。どんなに忙しくても、朝食、夕食は家族全員で食べること、できる限り自分たちで料理を作ること、食材はなるべく自然なものを使うこと、などまだまだたくさんありますが、こういった暗黙のルールが設けられています。
 独身の頃、私は「食」に関して特別に意識したことはありませんでした。どうして意識に変わったのか考えると、きっと配偶者である旦那さんの家庭環境がとても大きいと思っています。まず旦那さんの家族は、料理担当という役割がありません。旦那さんの父親も生前は、現代的で、積極的に料理を作って、とても上手だったと聞きます。現代だったら決して珍しくないのかもしれませんが、私たちの親世代ではとっても珍しいのではないでしょうか。
 お義母さんに聞いたところ、料理は共同作業だから一緒に作ることで家庭内でのコミュニケーションが円滑になる、ということで、お義父さん自らが率先して家族みんなで料理をすることを恒例行事にしたのだとか。ちなみに彼らの息子、つまり私の旦那さんも料理を作ることに抵抗がなく、小さな頃からその輪に参加していました。
 我が家でもそれに倣って、休日など比較的時間に余裕がある時は、家族全員で料理をすることが当たり前になっています。私、旦那さん、お義母さん、三人同時に、それぞれ役割を決めて(たいては一品ずつ)作るのです。私の育った環境ではこういったことは行われず、母だけがキッチンに立っていたので、最初はとても新鮮でしたが、やってみて思ったのは、一緒に作ることによってたしかに会話がとても弾むということです。食事の時ももちろん会話するのですが、キッチンで身体を動かしながらお話しをしていると、不思議と普段言えなかったことが言えるようになります。どうしてそうなるのか、ちゃんとお伝えできないのが心苦しいのですが、私の場合、面と向かって話すよりもかえって言いやすく、思わず饒舌になってしまうことも。
 そんな我が家ですが、最近、こうした大人たちがキッチンで楽しく料理をしているのを見て、娘が「わたしもやりたい」と言ってお手伝いをしてくれるようになりました。もちろん、包丁で切ったり、複雑な作業は任せられないので、何かを捏ねたり、かき混ぜたり、千切ったりするようなお仕事をお願いしています。最終的には大人が仕上げをするので、きっと効率的には良くはないと思いますが、とにかくみんなで参加して、わいわいと料理をすることが楽しい。
 旦那さんはあまり娘に口出しをするタイプではありませんが、将来、結婚する相手は、「料理好きの男の子にしなさい」という冗談とも本気ともつかないことを言います。果たしてどうなるのか? 今から楽しみです。

 

 

本記事は読者さんから送っていただいたテキストを元に、誤字の訂正や読みやすさを考慮して改行などを加えています。また、写真は編集部で選んだイメージとなります。

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