[Our Family] こどもたちが保育園に入園して得たもの、学んだこと

 長女の「みどり」と長男の「あお」が保育園に通い始めて、早いもので3ヶ月間が過ぎようとしています。最初こそ緊張して登園することに尻込みをしていたこどもたちですが、慣らし保育期間中にすっかり馴染んで、今では自らから行きたいという意思を示すようになっています。
 こどもたちが通っている保育園は、地域に根ざした小規模保育で0歳児から3歳児まで、全体で20名くらいのこどもを預かってくれています。保育士の先生たちの動きを常に見ているわけではありませんが、小規模ということもあり、こどもに対してひとりづつ寄り添っている感じが、迎えに行った際、豊かな、こどもたちとのコミュニケーションを楽しんでいる表情を見て垣間見ることができます。きっとこどもたちも、自由にのびのびと過ごせているのだと思います。
 こどもたちの様子は先生からの日記でも読めますし、長女の方は一日で起こったことをよく話してくれます。誰ちゃんと何をして遊んだか、何々先生が好きとか。こどもの体験をそのような形で聴くことは本当に嬉しいことです。
 長女の「みどり」は入園する以前は、約2年間、家で私と妻と一緒に過ごしていました (私は家に仕事場がある)。今考えると、毎日常に時間を共にしていたということが信じられませんが、娘が年齢を重ねるごとに体力もついて、大きな声を出して泣いたり、走り回ったり、とにかく騒いで動き回る。こどもとはそのようなものと言ってしまえばそれまでですが、力を持て余していた印象があります。特に長男が産まれてからは、それまで一身に集めていた愛情や時間が、長男の方に向いてしまい (なるべくそうしないようにバランスをはかったのですが)、フラストレーションも溜まっているのが明瞭に見てとれました。
 妻と話し合って、保育園に入れようと決意したのは、それだけが理由ではないのですが、そのような兆候も大いに影響していました。ある種、良くも悪くも閉じられた家という空間の中で、毎日、こどもたちと過ごすのは、誰にとっても良い影響を少なとも今は及ぼさないのではないか、とその当時はずっと考えていました。このままの状態では、誰かの感情が大爆発してしまうぞ、というような恐怖感がありました。
 もちろん、小さなうちは親とこどもの時間が必要ということもあり、多少の抵抗感はありました。長男は一歳にもなっていなかったので、もう少し我慢して、保育園に通う時期を先延ばしにしても良いのではないだろうかと、逡巡したのです。
 結局、冒頭でも書いたように、妻の仕事復帰時期のことも考えて、ふたりとも保育園に入れることになるのですが、少なくとも現時点では、私個人としてその決断は間違っていなかったのではないかなと思っています。
試しに、保育園に入れて、こどもたちに、あるいは親である私たちにプラスに働いたことを思いつくまま記してみたいと思います。
1、保育士さんにも恵まれたこともあり、こどもたちが保育園を心から楽しんでいること
2、家というある種閉じられた世界から、少し開かれた保育園という世界に出たことで、社会性を身につけたこと
3、こどもたちが溢れんばかりのエネルギーを開放する場を見つけたこと
4、私たち親も”ある程度”余裕が生まれて (妻は仕事が忙しくなったという別の問題はありますが)、保育園から帰ってくるこどもたちと”ある程度”ゆっくりコミュニケーションをはかることができるようになったこと
 今でもこどもたちが急に泣き出したり、癇癪を起こしたりしますが、おそらく一日中家に一緒にいたら今以上に大変だったはず。そして、限られた時間しか一緒にいられないのだからという気持ちが生まれて、こどもたちの粗相も我慢できることが多くなったような気がします。
 保育園に通うことで生まれた変化を主にポジティブな方面から書き綴ってみましたが、もちろん、こどもたち、親の気質などによっては個人差があるかと思います。私たちの (少なくとも私の) 場合は、あまりこどもに対するキャパシティが広くないので、ある程度、余裕を持ってみられる環境を早くつくらなければと考えて、長女は3歳になる以前、長男は0歳児の時に保育園という選択をしました。
 こどもの成長によってこれからも状況は刻一刻と変化していきますが、こどもたち、親、そして関わる人全員が、無理のないバランスでこどもに接することができたらと願っています。
(文 佐々木 新)

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