子どものよい目(感性)を育てるためのモビール

 赤ちゃんは、日々身体の発達が著しいですが、目は全身につがっている「突き出た大脳」とも言われ、情報の8割を受け取っているともされる、とても大切な器官です。心を許している人とアイコンタクトをして心を落ち着けたり、興味を持っているものに目を向けて自分の手で触れてみたり、目で(脳で)確認をして、身体感覚につなげたり、脳と身体の双方向に成長を促します。そうしたことからも、目は、全身の成長の基盤になっているとも言われているそうです。
 こうした子どもにとって大切な目を育てるために、私たちの家ではモビールに注目しています。その理由はいくつかありますが、まず私たちの家では、子どもがある程度の年齢になるまでテレビは見せないという方針をとっていて、代わりに動くものがリビングにあっても良いのではという想いからモビールに興味を抱きました。
 また、空間の意識を高めること、普段ではなかなか感じることができない空気の流れのようなものを学んで欲しいという想いもあります。たとえば、窓から入ってくる風が四季や朝昼晩などの時間によって異なることを、その微妙な揺れの中から感じるというような、目では見えにくいものが育って欲しい、と。
 そのような訳で、私たちが好きな作家さんのモビールをご紹介します。モビールのデザインだけに限らず、どのような想いが込められて作られたかも学びになるような作品です。子どもと対話ができるようになってきたら、なぜこのモビールが美しいと感じるのか、その背景についてお子さんと一緒にお話ししても良いかもしれません。

 
 

circle waltz / サークルワルツ

 
イトウケンジさんとウミノタカヒロさんによるデザインユニットMUTEのモビール。薄い金属の輪っかを吊り下げると、輪っかの大きさや吊り元の位置によって形が変わる仕様で、重力をうけてできた自然な形が、フルフルと軽やかに浮かびます。そのさまは、タイトルに「ワルツ」とあるように、まさに踊るように不思議な浮遊をします。ブルー/グリーン/イエローの美しい色彩の輪は適度なポップ感がありますが、ポップになりすぎずインテリアとしても空間を邪魔しません。きっと、お子さんもも喜ぶモビールだと思います。
t-e-m-p-o.stores.jp

 

noon mobile/ヌーンモビール

 
木工作家 辻有希さんのモビール。本物のハンノキやナラの枝で作られています。noon=正午と名付けられた作品は、その名のとおり日の光の中で美しさが輝くモビールです。透明な糸が光でほとんど見えなくなり、まるで枝が個として独立しながらも全体では調和をしているような振る舞いを見せます。子どもにとって、作り物(人工的なまがいもの)の素材ではなく、本物の自然の木に触れることはとても大切だと思います。とても柔らかい印象なので、明るい部屋のインテリアとしても映えそうです。
akitsuji.com/gallery

 

in the sky / インザスカイ

 
インテリア、建築などの空間デザインを行う、二俣公一さんがのモビール。枯れ落ちた枝が下の枝にひっかかっているような、繊細な表現がなされています。素材は、ゴールドが真鍮、シルバーがステンレススチール、ブロンズが銅でつくられています。上記の二つに比べると少し硬派な男の子っぽいイメージです。偶然が作り出す状況の危うさと均衡の調和を図る、芸術性が高い美しいモビールです。
www.eandy.com

 
 

 ご紹介したものは既製品ですが、手作りでの制作も楽しそうです。ネットで検索すると型紙がフリーでダウンロードできたりするので、それらをベースに素材を変えたりしてアレンジしてみても良いかもしれません。

Leave a Comment