家族のために、自分のために我慢しない

 インタビューシリーズ「家族のかたち」に同行して、東さんのお家に緑と私もお邪魔させて頂きました。今回はインタビュー初同行を通して感じたことを書いてみたいと思います。
 東夫妻のお話の中で1番印象に残っているのは、記事にも掲載されていますが「家族のために我慢したり犠牲にするのではなく、やりたいことに家族を巻き込む」というお話です。私は、妊娠がわかってから、嬉しくて愛おしく感じる幸せな気持ちと、仕事や趣味などを諦めなければならない、負の気持ちの両方を抱えていました。男性も子育てをする時代と言われている現在ですが、子どもを産み、母乳を与えるという役割は男性に頼むわけにはいきません。その間、仕事を休むことによって、最悪の場合は辞めることも考えなければならなくなります。再就職を考えるにしても、子どもが小さなうちは子どもとの時間も作れるようにしたい。育児と好きな仕事を両立するとなると、それまでのキャリアや職場の人間関係など、妊娠前に準備ができていなければなかなか厳しいものとなります。
 瑠里香さんも初めは育児との両立が難しかったそうですが、心を満たす為に好きなことに目を向けるようになってから両立できるようになってきたそうです。東夫妻を見ていると、それぞれの仕事への理解や、お互いを尊重する気持ちがある事で、家族の時間を確保しつつも、仕事も諦めないやり方を導き出しているように感じました。一人ではなかなか難しいかもしれませんが、家族内で相談し合いながら、補い合いあっていけば両立できる。これこそが夫婦であり、家族なのだと知った瞬間でもありました。
 私の母は、いつも子どもが最優先でした。素直にそれを尊敬していた反面、もっと自分のために生きて欲しいと考えることも何度かありました。しかし、この瑠里香さんのお話を聞くまで、私も同じように娘が最優先になっていることに気がつきませんでした。(女性の多くはきっと本能的に、出産した瞬間から我が子が何よりも大切なものになっている気がする)勿論まだまだ娘は小さいのでもう少しそれでも構わないと思っていますが、いつかのタイミングで私も仕事に打ち込んでいる姿を娘に見せてあげられたら良いなと思います。それぞれの仕事のスタイルによって、これをどのようにして現実に実行するのか異なってくると思いますが、私は親であるから我慢をしなければいけないという呪縛から自分を解放させ、諦めないことをプラスに捉え直すことができたような気がします。”背中で語る”ではありませんが、娘に「あなたもあなたの意思で自由に挑戦して良いのだ」というメッセージを込めて、私も勇気と責任を持って挑戦していきたいと思います。
 最後に、取材のオファーの際「是非ご家族で」と、緑と私も誘ってくださった東夫妻、素敵な時間をありがとうございました。私たちも私たちなりに「家族のかたち」を模索していこうと思います。

 

文 : 佐々木桜子 instagram
写真 : 井手勇貴 www.yukiide.com

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