みどり – はじめての旅

 先日、私たちの娘 みどりが生後5ヶ月を迎えることを機に、旦那さんの東京出張に便乗して初めての家族3人で旅行をしました。岩手で暮らす普段の生活では、移動手段はほとんど車をつかっているため、みどりにとっては電車も新幹線もこれが初めての体験となります。新幹線ではいつ愚図ってもいいように、二人席の最後尾または最前列を選び、近くにおむつ交換台がある車両を予約しました。(東北新幹線はおむつ交換台が女性用トイレに1つ、多目的トイレに1つあり、5号車と6号車の間には授乳などにも使える多目的室もあります) 旅行前は、みどりが初めての乗り物に驚いてしまうのではないか、泣きやまなかったら…など考えれば考えるほど不安になっていましたが、そんな私の心配を他所に、みどりは初めてとは思えない落ち着きようで、特に泣くこともなく、よく飲んでよく寝てくれました。
 みどりはミルクと母乳の混合なので、外出時はお湯を水筒に入れ、調乳用にペットボトルの赤ちゃん用の水を持ち歩いています。旦那さんが手配してくれた「星野リゾート OMO5東京大塚」というホテルは、各部屋に電気ケトルが常備されていたので、毎朝お湯を沸かすことができ助かりました。このホテルはホームページに子供や赤ちゃんとも宿泊可能と書かれていたので、ホテルで朝食を食べる時、みどり以外にも子どもを連れた家族がたくさんいました。私たちのお部屋があるフロアは子どもが多く、その中でも一番小さなみどりがいる私たちが角部屋になっていました。子どもがいるお客さんもそうでないお客さんも気持ち良く宿泊ができるホテル側の配慮が感じられ、とても嬉しくなりました。
 正直初めてのみどりを連れた旅行で、私がしっかりしなければと気を張ってた部分もあります。けれども、電車の中で席を空けてくれる人がいたり、レストランでは店員さんがソファーの席に案内してくれたり、沢山の方々に少しずつ支えられて無事岩手に帰ってくることができました。小さな気遣いでこんなにも助けられるものなのですね。今までの私だったら、そもそも気付けていない優しさがあったかも知れないし、気を遣わせてしまって申し訳ないと思っていたでしょう。今回の旅行でみどりに向けられた沢山の優しさに、有難く受け取っても良いのかな、と思うようになりました。その代わり自分に余裕があるときは、周囲の人に同じように優しさを持って接することができたら素晴らしいことだなと。
 家族旅行は子どもの成長や夫婦の仕事環境などによっても変化していきますし、もちろん夫婦だけの旅行と違って心身ともに体力が必要です。ですが、いつもと違う環境を親子で体験することで、緑や周囲の反応によって考えさせられることや得られることも多く、継続していきたい家族行事のひとつだと思いました。今は緑が小さいので彼女自身の記憶としてはあまり残りませんが、将来彼女が大きくなった時に、写真や私たち夫婦の記憶をもとにこの日の出来事を緑に伝えることもとても愉しみです。

 

文 : 佐々木桜子 instagram
写真 : 井手勇貴 www.yukiide.com

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