ラップ特有のことばとリズムの心地よさで読む絵本『ようようしょうてんがい』

 こどものとも12月号として発売された『ようようしょうてんがい』は、ラッパーの環ROYと、イラストレーター古郡加奈子さんによって作られた絵本です。
 本書は以前紹介した、ラップのリズムにのって歌いながら読む絵本『まいにちたのしい』ととても親和性が高い絵本です。『まいにちたのしい』では、ラップグループ KAKATO が文を担当していましたが、今回はそのコンビの一人である環ROYがテキストを書いています。
 「きたきた ようようしょうてんがい、よってらっしゃい みてらっしゃい」から始まるラップは、ひと昔前には当たり前に見られた、年の瀬師走の商店街の活気溢れる風景を思い起こさせてくれます。元気いっぱいの軽快な売り言葉が飛び交っていて、なんだか気持ちが高揚してくる。声に出して読むことで自然にリズムが生まれる、ことば遊びがページを繰っていくと展開されていきます。この懐かしくも楽しい空気感を古郡加奈子さんが上手く絵として表現しています。
 我が家では夫婦共に環ROYが好きなのでよく音楽をかけていることもあって、さっそく1歳の娘に読んで(歌って)みせたところ、身体を動かして喜んでいました。まだ1歳になったばかりで、絵本で語られる物語の内容はわからないようですが、こうした音楽を通じた本は自然に入ってくるようで、あらためて音楽の持っている力を感じました。ラップ特有のことばとリズムの心地よさが、絵本にぴったり合い、声に出して読むのが楽しい1冊です。

 
 

ようようしょうてんがい
こどものとも 2020年12月号

環 ROY 文 / 古郡 加奈子 絵
32ページ
26×19cm

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